北海道コンサドーレ札幌は鹿島アントラーズに0-2で敗れ、北海道胆振東部地震後初めてのホーム戦を勝利で飾れなかった。
前半24分に先制を許すと、後半は3分にPKで追加点を献上した。攻撃陣はボール支配率で勝りながらゴールは奪えず、今季初めての2試合連続O封負け。ここまでミハイロ・ペトロビッチ監督(60)が掲げる攻撃的サッカーで白星を重ねてきたが、前節川崎F戦に続き上位対決で不発に終わった。ACL出場圏内の3位とは勝ち点差2だが、順位は7位に後退した。
ゴールが遠かった。札幌の躍進を支えてきた攻撃陣が、今季初めて2試合続けて0封負け。ペトロビッチ監督は「チャンスはあったが、正確なプレーができなかった」と振り返った。
意気込みが、空回りした。地震発生から18日目。被災後初めてのホーム戦には、2万人以上のサポーターが駆けつけ、スタンドを真っ赤に染めた。左腕には喪章。試合前にはセンターサークルに集まり、22秒間黙とうした。
意気込む理由は、もうひとつ。前節川崎F戦は、クラブワーストタイの0-7大敗。前日22日のミーティングで、指揮官は選手にこう呼び掛けた。「明日がまた川崎F戦だったとしても、同じ戦い方をする」。自信を失いかけていた選手を鼓舞した。
だが、ACLで4強入りを決めたばかりの鹿島の老練な戦いぶりに苦戦した。これまでの試合で得点につなげてきたサイドチェンジで相手DFを揺さぶることができず、せっかく手にしたCKやFKの場面でも、シュートまで持ち込めない。FW都倉は「運動量や球際とかベースの部分でも鹿島に圧倒された」。リーグ戦は終盤を迎える。J1で上位争いの経験の少ない札幌の選手たちは、経験値の差を見せつけられた。
鹿島には11試合連続未勝利。17年ぶりの白星、そして3位浮上はお預けになった。だが順位は7位に下がったが、ACL出場圏内3位との勝ち点差はまだ「2」。都倉は「もともと僕らは失うものは何もない。成長のきっかけにしたい」と、初のトップ3入りを諦めず、敗戦からはい上がる覚悟。「ここはチームの踏ん張りどころ」とペトロビッチ監督。次節は鳥栖とのホーム戦。残り8試合、混戦を勝ち抜き、北海道内をわかせる勝利を重ねていく。【保坂果那】
▼札幌が2試合続けて0封負けを喫するのは、カップ戦を含めても今季初めて。5月9日ルヴァン杯の甲府戦0-3の後、続く同13日のリーグ戦東京戦もノーゴールで2試合連続無得点はあるが、同戦は0-0の引き分けだった。