北海道コンサドーレ札幌のFWジェイ(36)が、思いの丈を口にした。敵地での湘南ベルマーレとの開幕戦に先発した点取り屋は、0-2での黒星スタートを不安視しない。前向きに、次節3月2日の浦和レッズ戦に気持ちを切り替えた。【聞き手 保坂果那】

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今年もサッカーや家族の話など、いろいろな話をしていこうと思う。みんなはどんなことを聞きたいのかな。リクエストがあれば応えたい。

開幕戦は強いチームも弱いチームも関係ない。シーズン最初の試合だからね。湘南はカウンターを狙っていて、プレーしにくかった。分析もされていた。でも0-2という試合ではなかったな。我々がミスをして相手がゴールを決めた。札幌のプレーはそこまで悪くなかったけど、湘南が良かったね。

相手は、俺にボールをつながないようにと指示があったらしい。俺を封じれば攻撃できないって。湘南はうまくやっていた。相手のチームがそういうことをやるなら、俺たちはプランBを考えないといけなかった。でもロングボールばかり蹴っていたのは良くなかった。積極的にいかないと。

(骨折している鼻骨を保護する)フェースガードをしなかった理由が気になるって? 着けるのが一番安全だけど、試合中は気になるんだ。汗をかくと顔を拭けないし、集中できないから。安全よりもベストなプレーがしたい。サッカー選手は自分の体が100%大丈夫っていう日は1日もない。もしかするとキャンプの最初の練習試合だけかもしれないね。その後は絶対にどこかは痛い。足でも鼻でも痛いところはみんなある。我慢してチームのために頑張らないと。

鹿島アントラーズは大分トリニータに負けたし、川崎フロンターレもFC東京と引き分けた。開幕戦はそんなもの。開幕戦だけじゃチームの強さはわからないってこと。シーズンが進むとうまくなって、自分たちのやりたいサッカーができるようになる。

ミシャ(ペトロビッチ監督)のサッカーで大事なことは3つある。技術、能力、そしてコンディションだ。俺たちは今年タイ、沖縄、熊本でキャンプをしている。シーズンが始まったのに、今もまだホテルに住んでいるんだよ。他のチームの選手は、もう自宅にいる。家族と一緒に過ごして普通の生活を送っている。サッカー選手はロボットではないから、子どもや奥さんに会いたくなる。そこは他のチームの方がアドバンテージになると思う。北海道は雪があるから練習できないのは仕方ないけど、シーズン最初の2試合がアウェーで、まだキャンプ中というのは大きいと思う。

ホテルでは毎日同じ食事を食べて、食べ終わったら部屋に戻るしかない。部屋に戻ってもすることがない。動画も見飽きるし、休みがあってもすることがない。「Groundhog Day」(邦題「恋はデジャ・ブ」)って映画知ってる? 毎日同じことが起きる映画。まるでその映画。毎日何も新しいことがない。だから結構大変なんだ。札幌だったら好きなお店もあるし、好きなゴルフコースにも行けるし、買い物とか子どもとも遊べるから。

俺たちのチームのいいところは経験のある選手がいること。(MF小野)伸二は日本で一番すごい選手だろ? ヨーロッパに行って活躍して帰って来たレジェンド。若い選手は俺たち経験のある選手にどんどん聞いてほしい。俺もアーセナル(ユース)にいる時、ティエリ・アンリにいろんな質問をして「しつこい」と言われていたよ。どうやったらうまくできるのかを聞いた。若い選手はもっともっと自分の成長のために経験ある選手に聞いてほしい。(札幌FW)