サッカー北信越大学リーグ1部・新潟医療福祉大のDF喜岡佳太(22、4年=市船橋)がAC長野パルセイロへの来季入団が内定。

7日に同大で仮契約と会見が行われた。同大から5人目のJリーガーで初のプロ契約になる。市船橋のチームメートで、J2新潟に来季入団が内定しているFW矢村健(22、4年)と競い合いながら、プロでの活躍を誓った。

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硬かった表情が次第に緩み、最後は満面の笑みとなった。仮契約後の会見で喜岡は「昨年、今年と天皇杯で長野と対戦したときにここに入りたいと思った。決まってうれしい」と喜びを語った。そして、「まだ力が足りないと思う。しっかり準備をして開幕スタメンを狙う」と力強い言葉でプロ入りの覚悟を示した。

守備の要のセンターバック。高さと強さがあるヘディング、素早い判断による的確なカバリング、正確なフィードが持ち味だ。長野の東海林秀明強化本部長(49)は、「センターバックとして必要な能力を備えている。守備の中心として活躍してほしい。今から楽しみ」と最大級の評価。9月に行われた練習試合で、サブメンバー主体の長野が、喜岡を中心にした新潟医療福祉大に無得点に抑えられた。それを見て能力の高さを確信したと言う。

これまで同大が輩出した4人のJリーガーはすべてアマ契約。喜岡がプロ契約第1号となる。チームメートには、すでに新潟入団が昨年内定し、特別指定選手登録のFW矢村がいる。市船橋の同期生は、まだプロ契約はしていない。喜岡が一足早く仮契約した形だ。「昨年、矢村が内定したときはうれしかったけど、悔しかった」。今は「大学に入るとき、2人でプロ入りするのが最低目標だった。それが達成できた」と、親友と肩を並べたことを実感した。

新潟医療福祉大の佐熊裕和監督(55)は「レギュラーに定着したのは4年生になってから。苦労してきた分、精神的に成長した」と努力を評価した。日本高校選抜、昨季の北信越大学リーグ得点王(28点)などの実績がある矢村に対し、喜岡に全国レベルの代表歴はない。地道に練習を重ねてはい上がってきた。「大学に行かせてくれた両親や後押ししてくれた高校、大学の指導者のみなさんに感謝しています」と喜岡。恩返しはプロでの活躍だ。「長野で試合に出て、J2、J1に昇格したい」と未来を見据えた。【斎藤慎一郎】

○…長野の東海林強化本部長は新潟と縁がある。J2新潟の前身、新潟イレブン、アルビレオ新潟時代にGK、運営スタッフとして所属した。新潟の創生期を知る1人だ。「こういう形で新潟と再び縁ができたのはうれしいです」と話した。喜岡が主力に成長し、新潟と対戦する日がくることを願っていた。

◆喜岡佳太(よしおか・けいた)1997年(平9)10月5日生まれ、東京都出身。4歳からサッカーを始め、烏山中でFCトッカーノに所属。市船橋高では1年のときに全国高校選手権ベスト8。新潟医療福祉大に進み、2年のときに北信越大学選抜入りした。憧れの選手は市船橋の先輩でJ3群馬のDF磐瀬剛(24)。182センチ、76キロ。利き足は右。