北海道コンサドーレ札幌は12日ホームで横浜と対戦する。15日にJリーグ次期チェアマンに就任する野々村芳和会長(49)にとっては、札幌でのラストマッチ。ペトロビッチ監督(64)は「彼に勝利をささげたい」と、今季リーグ戦初白星でクラブJ1通算100勝目を達成し、華々しく送り出すつもりだ。

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11日に行われた札幌ドームでの横浜戦前日練習。選手の動きをペトロビッチ監督は真剣な表情で見つめた。野々村会長の現職での最後の試合が近づく。13年に社長に就任し、当時J2だったクラブのために尽力した功労者。「いいゲームをして勝利して勝ち点3を彼にささげたいという強い思いはある」と意気込んだ。

18年に就任したペトロビッチ監督にオファーを出したのが同会長だった。ビジョンを聞き、熱意を感じ、ともに仕事したいという気持ちにさせてくれた。だから恩義もあり、寂しさもある。だが「これからの彼の仕事を陰ながら応援したい」と約束した。

開幕から3戦連続引き分けで負けなしだが、初勝利が待ち遠しい。クラブJ1通算100勝目にも王手をかけたままだ。同会長の目の前での記録達成を目指す。相手横浜にはリーグ戦3連敗中と苦戦するが、攻撃的なスタイルがぶつかり合い、18年以降必ず両チーム計3得点以上が生まれる撃ち合いの試合を展開している。「1対1の局面で自分たちが勝っていけるかどうかが1つのポイントになる」と勝利への鍵を描いた。

チームは前日10日に熊本キャンプを打ち上げ、本拠地に帰って来た。1月からの約2カ月のキャンプ生活を終え、家族との再会を喜ぶ選手の表情は明るい。指揮官は「ここからそうした(家族の)力を得て選手たちがギアを上げて明日の試合もさらにパワーアップした姿で戦ってくれれば」と期待していた。【保坂果那】

○…FW興梠は今季初得点を決めた本拠地で再びゴールを狙う。ホーム開幕戦の2月26日広島戦(1△1)で現役最多のJ1通算159点目をマーク。あと2点で歴代2位に浮上するが、自身の記録より勝利を優先する。「楽しい試合を見せて勝ち点3を取れるように頑張りたい。チームのためにハードワークして一緒に戦っていきたい」と、ホームでの歓喜を呼び込むつもりだ。