陸上男子短距離の東京オリンピック(五輪)代表は9日、山梨・富士吉田市内で合宿を報道陣に公開した。

男子100メートルで9秒95の日本記録を持つ山県亮太(29=セイコー)はスタート練習や、200メートルなどで調整。1カ月後に迫った本番へ向け、「時間は限られているが、調子を上げていき、いい走りをしたい」と意気込んだ。12年ロンドン五輪、16年リオデジャネイロ五輪と自己ベストを更新する大舞台の強さを備える。3大会連続の五輪ではに日本勢89年ぶりとなる同種目の決勝進出を目指す。エントリーしていた17日の実業団・学生対抗(平塚)は欠場し、練習を優先させる。

金メダルを期待される400メートルリレーでもキーマン。エースが集う2走を担うとみられる。リオデジャネイロ五輪では第1走者で銀メダルに貢献したが、役割は変わる見込みだ。山県は「1走以外の走順もだいたい経験がある。過去の経験を生かしていきたい」と語った。

東京五輪では日本選手団の主将の大役も担う。五輪では陸上の国立競技場を含む、1都3県の会場が無観客に決まったことについては、「本来の形とは違う形になるが、走る場所を与えてもらったことに感謝し、選手としてベストを尽くしたい。そうした姿勢が日本チーム全体へのいい影響になると考えている」と話した。