試合の前から始まるさまざまな駆け引き。国内における陸上男子短距離の招集場は、周囲との駆け引きよりも、自分の世界に入り込むことを重視するようだ。

飯塚翔太(29=ミズノ)は「特に100メートルは、みな基本的に走り終わるまで一言も話さない。レースのイメージを高め、集中を解きたくないとの意味が大きい」。海外は少し勝手が違うようで「特にアフリカの選手は仲のいい人同士で歌ったり踊ったり、ワイワイしている」という。ただ時代によって変化する部分もあり、過去には相手を目で威嚇したり、やや横柄な態度で“風格”を出し、その場の空気を支配しようとした人もいたようだ。【上田悠太】