12年ロンドン五輪19位のダビッド・トマラ(31=ポーランド)が他選手と違った給水方法で自らのリズムを保ち、金メダルをつかんだ。残り1キロを切ってからは国旗を持ち、3時間50分8秒でフィニッシュした。

序盤は中国の羅亜東(29)が1人で飛び出し、20キロ付近でトマラや日本の丸尾知司(29=愛知製鋼)、川野将虎(22=旭化成)らが吸収した。トマラは集団の先頭を歩いた。

給水地点では首から下げられる白の袋を受け取り、その中からペットボトルを出して給水。集団の他の選手が直接ペットボトルを受け取る中で、自らのスタイルを貫いた。30キロ以降、一気に後続を離して、1人旅となった。

50キロ競歩は世界記録が3時間32分33秒。16年リオデジャネイロ五輪金メダルのタイムも3時間40分58秒と長丁場で知られる。コースにはトイレも設置されており、給水など、コンディション管理も大きな鍵を握る。「白の袋」もトマラの力強い歩きを後押しし、過酷なレースを制した。