19年の五輪代表選考会マラソン・グランドチャンピオンシップ(MGC)を制した中村匠吾(28=富士通)は、62位にとどまった。

トップのキプチョゲ(ケニア)とは13分45秒差。序盤から先頭集団にはつかなかった。取材エリアでは「この2年間、内定いただいてから、どちらかというとつらいことの方が多かったんですけれど…」。言葉を詰まらせると、涙を浮かべて「これまで支えてくださった方々に本当に感謝していますし、こういった結果になったんですけれど、またこれから強くなって、次の舞台に向けて頑張っていけたらと思います」と続けた。

20年3月の延期決定時は「より強くなるために、プラスに考えてやれていた」。だが、21年に入って1月から左足甲やくるぶし付近を痛め、2月のびわ湖毎日マラソン、五輪コースを使用した5月のテスト大会を欠場していた。

「最後の半年間はつらかったんですけれど、いろいろな方、スタッフ、トレーナーさんが向き合ってくれて感謝したいと思います」

今後は少し休養しながら、次の目標を定めていくという。13年の開催決定時から目指してきた東京五輪を走り終え「また次、強くなって、結果で恩返しできるように。強い選手になっていきたいと思います」と誓った。【松本航】