金メダル大本命の呼び声が高かった、世界ランキング1位の桃田賢斗(26=NTT東日本)が、負けた。許■熙(韓国)に0-2で敗れ、男子シングルス1次リーグで1勝1敗の2位。決勝トーナメント進出を逃した

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五輪という独特の緊張感が漂う舞台の難しさを感じさせられた。立ち上がりの桃田はいつも以上に攻撃的な姿勢が感じられ、試合の入り方としては決して悪くなかった。ただ10-5からの10連続失点で、一気に精神的に浮足だってしまった。重圧がかかる場面での守備は、桃田クラスの技術を持っていても容易ではない。思い切って攻撃してきた相手を止められなかった。

大会序盤ならではの難しさもあったと思う。今大会2試合目だったとはいえ、初戦に比べると、この試合の相手はレベルが格段に上。うまく対応できず、後手後手に回ってしまった。

交通事故によるけがのあと、本来なら試合を重ねる中で感覚を取り戻していくべきところが、コロナ禍により実戦を重ねられなかった影響は大きかったはずだ。技術面や体力面は問題ないと感じられただけに、精神的な不安がプレーに影響したと感じられた。(08年北京、12年ロンドン五輪日本代表)

※■は人ベンに光