ソフトバンク球団会長の王貞治氏(81)が23日、東京五輪の開会式で聖火ランナーを務めた。国立競技場内で聖火を運んだ。柔道男子で五輪3連覇の野村忠宏氏(46)、レスリング女子で五輪3連覇の吉田沙保里氏(38)から託され、盟友でプロ野球巨人終身名誉監督の長嶋茂雄氏(85)、元メジャーリーガー松井秀喜氏(47)と3人で火をつないだ。右手でトーチを掲げ、長嶋氏を気遣いながら1歩1歩進んだ。

王会長は野球・ソフトボールの今五輪での3大会ぶり競技復帰に尽力。東京五輪・パラリンピック組織委員会の理事を務めている。前回東京五輪が開催された64年には当時のプロ野球記録となるシーズン55本塁打。今年1月には思い出深い1年の五輪を振り返り、「あれから日本がすごく飛躍しましたよね。今回の五輪でも、その後の日本は大きく羽ばたくんじゃないかと思う」と力説していた。

新型コロナウイルス禍の中でも「ぜひ実現したい。ぜひ人間の知恵を使いながら、見事に開催したい」と熱く訴えていた東京五輪で大役を全う。日本プロ野球記録の通算868本塁打を誇る世界の「サダハル・オー」が、未来への思いを火に込めた。