日本のエース敷根崇裕(23=ネクサス)が、個人では08年北京五輪の太田雄貴(銀メダル)以来3大会ぶり2度目のベスト4進出を決めた。

準々決勝で12年ロンドン五輪銀メダリストのアラエルディン・アブエルカセム(30=エジプト)と対戦。序盤から激しい点の取り合いになり、第1ピリオド(P)だけで9-11という応酬を繰り広げた。第2Pで11-11に追いつくと、次のプレーでアブエルカセムが転倒。腰を痛め、試合が中断した。

いすに座って相手の治療を待つ。再開後、リズムを乱されることなく12ポイント目を取り、この日初めてのリードを奪った。14-12で王手。14-13。1点差に迫られたところで最後の攻撃が決まり、準決勝に駒を進めた。

五輪前、最後の国際大会となった3月のグランプリ(GP)ドーハ大会で銀メダル。GP表彰台も太田以来11年ぶりの快挙だった。太田が日本初の五輪メダルを獲得したのは10歳の時。そのころから「太田さんを超える金メダルが夢だった」という23歳のフェンサーが、日本フェンシング界悲願の頂点まで、あと2勝とした。【木下淳】