東京五輪聖火リレーは23日、東京都15日目の最終日を迎え、都庁都民広場で「東京都聖火リレー到着式」が行われた。

点火セレモニーに走者として参加した笠井咲(えみ)さん(54)は、昨年12月に誤嚥(ごえん)性肺炎で亡くなった落語家の故林家こん平(享年77)の次女。聖火ランナーの通行証の裏側に父との2ショット写真を忍ばせ、“2人”で聖火をつないだ。日本テレビ系人気番組「笑点」などでの代名詞となっていた「1、2、3、チャラーン!」の掛け声にちなんで「本日7月23日、1、2、3とは違いますが、7(しち)、2、3という語呂の良い日に、父に代わって参加させていただいて父も喜んでいると思います」。明るい笑顔で写真も披露した。

生前は、「落語卓球クラブ」をつくって競技にも積極的に参加するなど、スポーツを愛し続けてきた父。「難病にあいながらでも前を向いて進む生き方をしておりましたから、これから展開されますオリンピック、パラリンピックが大成功することを確信していると思います」。本来なら昨夏にパラリンピック応援大使として大会を盛り上げることを楽しみにしてきた父の思いを胸に、トーチを掲げた。

聖火は3月25日に福島県Jヴィレッジを出発してから121日間(移動日を除く実施日は114日)にわたって、1万515人がつないだ。【鎌田直秀】