東京オリンピック（五輪）出場のため来日中で2日の陸上女子200メートルに出場予定だったベラルーシ代表クリスツィナ・ツィマノウスカヤ（24）が1日、代表チームによって、自らの意思に反して羽田空港に連れていかれ、帰国させられそうになったと証言した。ロイター通信が報じた。警察と一緒にいて無事だとも語っている。

五輪代表チームのコーチのドーピングテストに関するミスをインスタグラムで批判したところ、代表チームヘッドコーチから「上から選手団から外すように指示があった」と言われたとも明かしており、ツィマノウスカヤは「私はベラルーシには帰らない」と帰国を拒否する意思を示している。

ロイター通信は、ベラルーシのスポーツ選手らの人権を守る活動を行う団体関係者の話として、ツィマノウスカヤがドイツかオーストリアへの亡命を申請する計画もたてていると報じた。

ベラルーシのルカシェンコ大統領は強権的な政治姿勢で知られ、5月には政権に批判的なジャーナリストを拘束するために飛行機を強制着陸させるなどし、EUやバイデン米大統領らが強く非難。東京五輪開幕後にも、ルカシェンコ大統領はベラルーシ代表の成績をめぐり「ハングリー精神が足りない」などと不満を表明していた。