世界で最も若く、強い男が誕生した。橋本大輝(19=順大)が6種目合計88・465点で初優勝を飾った。

92年バルセロナ五輪覇者のビタリー・シェルボを超える五輪史上最年少での優勝で、日本人としては5人目。ロンドン、リオデジャネイロ五輪と2連覇していた内村航平も成し遂げられなかった10代での世界王者となった。千葉の小さな体育館で育った男が、王位を継承。日本体操界の五輪でのメダル数で100個目となる節目にも、名前を刻んだ。

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◆生まれ 2001年(平13)8月7日、千葉県成田市生まれ。名前の由来は夏の太陽のように輝いてほしいとの願いから。

◆戦績 市立船橋高で18年高校総体個人総合優勝など。19年世界選手権では白井健三に続く史上2人目の高校生代表で団体銅メダルに貢献。

◆1本 ここぞの集中力は中学まで通った佐原ジュニアで。ケガ防止用にクッションが詰まるピットがなく、常に緊張感を伴った。いまも「僕はピットで1本通ったら次は絶対に陸(ピットなし)で通す」。

◆無限君 中学まで世代別代表経験なし。高校入学後に急成長。市立船橋高の大竹監督は「体力は『無限君』。1回の練習で何度も試技できる体力、やれるまで粘れる精神力に目を見張った」。高3時の技構成の90%は2年間で習得した。

◆目標 あこがれは田中佑典で「小4で初めてテレビで見てきれいだと」。

◆得意種目、サイズ あん馬、跳馬、鉄棒。164センチ、54キロ