ロシアの新星となるマディナ・タイマゾワ(ROC=ロシア・オリンピック委員会)が銅メダルを獲得した。3位決定戦ではバルバラ・マティッチ(26=クロアチア)との顔合わせ。決着つかず、準決勝に続いて延長(ゴールデンスコア)に突入すると5分22秒、技ありを奪って優勢勝ちを収めた。初戦から3位決定戦までの5試合で計40分53秒も青畳で戦った。

準決勝では、5月のグランドスラム・カザン大会で撃破していた17、18年世界選手権覇者新井千鶴(27=三井住友海上)と対戦。5月の再現を狙って新井と戦い、本戦合わせて16分を超える死闘を繰り広げ、最後は送り襟絞めで失神負けを喫し、3位決定戦に回っていた。

ボリューミーな髪がトレードマークのタイマゾワは母国で父がレスリング・フリースタイルの指導者。おじのアルトゥール・タイマゾワはウズベキスタン代表としてレスリング・フリースタイルで00年シドニー五輪銀、04年アテネ五輪金を獲得しており、スポーツ一家に育った。座右の銘は「スポーツのためにすべてをささげる」だという。

右組みの柔道選手としてパワー、馬力にあふれるタイマゾワは袖釣り込み腰や背負投げ、内股を得意としている。20、21年欧州選手権では連続3位に入賞。新井を下した21年グランドスラム・カザン大会で優勝を飾っている。21年に躍進したロシアの新星として注目を浴びて臨んだ東京五輪だった。