中山楓奈(ふうな、16=ムラサキスポーツ)が14・49点で銅メダルを獲得した。

中山は「メダルを取れてとてもうれしいです。無観客だったからかはわからないけど、いつもよりリラックスできて滑ることができて、よかったです」と喜びを語った。試合は最後まで同じ日本代表の西矢椛(もみじ、13=ムラサキスポーツ)と金メダルを争う展開に。「椛が1位だったから、1位になってやろうって思って(最後の滑走を)やったけど、ダメでした」と振り返ったが、予選のベストトリックで唯一5点台を出して1位通過するなど、堂々の滑りでメダルをつかんだ。

富山市出身の高校1年生がスケートボードを始めたきっかけは、9歳の誕生日。両親からデッキ(板)を買ってもらい、富山市内のパークを中心に「いろんな人に支えられ、たくさん練習してきました」。

その成果が実り、2018年には強化指定選手に選出され、国際大会にも出るようになった。翌年5月にロンドンで行われた世界最高峰のストリートリーグ(SLS)で入賞。五輪予選最終戦に当たる今年6月の世界選手権(イタリア・ローマ)では優勝した西村や2位の西矢に先着を許したが、6位に入った。五輪代表入りを決定づけ、「自分のやりたい技を全部成功させたい」と意気込んでいた。

五輪後に今後のなりたい選手像を聞かれると「自分の得意技をどんどん出していきたいと思います」と答えた。この日の喜びと悔しさを糧に、これからも成長を続ける。

 

◆ストリート 街中にある階段、手すりなど模したコースで技を競う。障害物を飛び越えたり、レールなどを板で滑るトリックがある。難易度、成功率、スピード、独創性などを採点し、審査員5人のうち最高点と最低点を出した2人を除いた3人の平均点が得点となる。45秒の「ラン」を2回と、一発の技で競う「ベストトリック」5本の計7本を行い、このうち高得点4本の合計で競われる。東京五輪では男女各20人で争われ、予選の上位8人が決勝に進む。決勝で改めて7本の試技を行い、メダルが争われる。