サッカー女子日本(なでしこジャパン=FIFAランク10位)が、決勝トーナメントの扉を開いた。チリ(同37位)に1-0で勝利。後半32分、途中出場のFW田中美南(27=INAC神戸)が、FW岩渕のアシストから決勝弾。カナダとの初戦でPKを外した田中が、名誉挽回の一撃で銀メダルを獲得した12年ロンドン大会以来の白星を引き寄せた。E組3位に滑り込み、30日の準々決勝でスウェーデンと対戦する。

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細かいミスが続いた。連係面で、チャンスをつくっても、パスの微妙なずれで、自ら攻撃の芽を摘んでしまうことが多々あった。

サッカーで大事と言われるのが縦のライン。強いチームはFW-MF-DF-GKの縦軸がしっかりしている。しかし今大会のなでしこはFWもボランチもセンターバックも、ほぼ毎試合、何人かは変えていて、センターラインの軸が作り出されてない。特に2ボランチは、3試合とも組み合わせを変えた。

5年かけて作り上げたチームなのに、軸の選手が誰なのかが見られないのは残念でならない。だから、攻撃だけでなく守備の連動性も欠いた。さらにチリ相手にこれだけ苦戦したのは、サイド攻撃が少なかったのも一因ある。攻撃の幅を自ら狭くして、相手を楽にさせた。これは3戦通して言えることで、今後の課題でもある。(元なでしこジャパン)