なでしこジャパンが、苦しみながらも8強入りを果たした。

後半から出場のFW田中美南(27)が、同32分に値千金の決勝ゴール。守備陣も踏ん張って、無失点で抑えた。E組3位で決勝トーナメント(T)に滑り込み、30日の準々決勝ではG組を首位突破したスウェーデンと対戦(埼玉)する。

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決勝トーナメント進出がかかる大一番で、高倉監督はセンターバック(CB)歴2年目の“秘蔵っ子”を大抜てきした。今大会初出場のDF宝田沙織(21)は、主将のDF熊谷とCBコンビを結成。19年W杯ではFWで参加し、DFとしての経験はまだまだ浅いが、最終ラインに安定感をもたらした。

CBに転向したのは昨季で、所属していたC大阪堺でDF陣にけが人が出たことがきっかけだった。同チームの竹花監督は「キャプテン翼の世界というか、いろんなことができる選手。やる気を引き出すために『CBになれば、すぐなでしこジャパンに選ばれるぞ』と冗談で話しました」と明かす。すぐに頭角を現し、代表にも選ばれたが、昨冬移籍した米スピリットでは、FWで起用されていた。

宝田は終了間際には、足をつるまで奮闘。勝利への執念を見せ、苦しんだ日本を決勝Tへと導いた。