1都3県(埼玉、千葉、神奈川)の東京オリンピック(五輪)競技会場を無観客とする決定から一夜明けた9日、これまで準備してきた関係者からは落胆の声が広がった。正式競技として初めて実施されるサーフィン会場(千葉県一宮市の釣ケ崎海岸)ではチケット購入者を対象に「サーフィンフェスティバル」を行うことを予定していたが、無観客決定により企画中止に。大会組織委員会の橋本聖子会長がこの日の会見で発表した。

サーフィンは今月25日から釣ケ崎海岸で開かれ、波のコンディションによって8日間の日程のうち4日間で競技が実施されることになっていた。観戦とともにフェスティバルも楽しめるチケットは一律3000円で販売し、定員は6000人。当初音楽イベントのほかインストラクターが教えるサーフィンやヨガ体験会などを構想し、食事も提供しながら大会を存分に楽しめる企画を考えていた。

新型コロナウイルスの影響1年延期、さらには観客上限について検討される中でも、着々と準備は続いていた。大会関係者は「(フェスを)やる前提で動いていましたが、来てもらうアーティストとの話し合いは一時中断していました」と明かした。

一宮町では町内の小中学生1242人を対象に「学校連携観戦」に参加する予定だったが、県内競技会場の無観客決定により中止を決めた。担当者は「せっかくの機会と思っていただけに残念だが、こういう状況なので妥当な判断だと思っています」。最寄り駅周辺に観光案内などを担当してもらう都市ボランティア70人を配置する予定だったが、無観客により派遣を取りやめにするという。