世界ランキング2位の伊藤美誠(20=スターツ)が、シングルスでは日本女子初のメダルとなる、銅メダルを獲得した。4-1でユ・モンユ(シンガポール)に快勝。12年ロンドン五輪で石川佳純、16年リオデジャネイロ五輪で福原愛と、直近2大会連続で敗れていた鬼門の3位決定戦を逆転で制した。伊藤は前回大会の女子団体銅メダル、水谷隼と組んだ今大会の混合ダブルス金メダルに次ぐ、3つ目の五輪メダル獲得となった。

試合後の一問一答は以下の通り。

-準決勝は悔しい結果

伊藤 孫選手とは特にたくさん試合をしてきて、すごいパワーを、孫選手がいるから私も頑張れるんですけど、やっぱりたくさん練習してきた中で、何もできないような負けをしてしまったのが、すごく、1番悔しくて、1ゲームでも2ゲームでも、もっともっと取りたかったという気持ちが大きいですね。

-混合ダブルスを含め、ここまでの総括を

伊藤 ミックスダブルスは、すごくいいペースというか、悔しい部分はもちろんありますけど、準決勝、決勝と、いい状態で試合に臨むことができた。シングルスでは、準々決勝が1番良かったかなという感じです。それ以外は、そこまで、何て言うんだろう。もちろん、その日その日全てを出し切るのがベストなんですけど、特に今日の2試合は、うまくいかなかったというのが1番の敗因なので、そこはしっかりと、団体戦に調子を合わせられるように準備をしていきたいと思います。

-日本女子初のシングルスメダル。終わった時の気持ちは

伊藤 うーん…。勝つことが1番なので、最終的に勝てて、もちろん良かったと思います。ただ、勝っても、私は悔しい気持ちの方が本当に強くて、うれしいという気持ちは、ちょっと薄くて「1」あるかな、ぐらいです(笑い)。基本は本当に悔しいです。

-それだけ悔しかった

伊藤 はい。もちろん、勝つことはうれしいですよ。今日の準決勝もそうですし、3位決定戦もそうですけど、そこまで、うまくいっていない状態で負けたのと、勝ったのと、という感じで。やっぱり、負けるにしても全て出し切りたいじゃないですか。それができなかったのも悔しいですし、準決勝も、3位決定戦も、やっぱり、いい準備ができていなかったです。

-悔しいの「1」は、いくつのうちの「1」?

伊藤 10か100のどっちかです、フフフッ。

-100?

伊藤 100もありますよ。99は悔しいです。でも、100近いです、ハハハッ。

-準決勝から3位決定戦への気持ちの切り替えは難しかったと思うが、どのようにした

伊藤 めっちゃ難しかったです。でも、お母さんに会ったり、スタッフさんに会ったりして、すごく明るく迎えてくれたので。自分の中で、すごく悔しいですけど、悔しい気持ちを押し殺して、次の気持ちに切り替えようと。でも、めっちゃ悔しかったです。よみがえってくると悔しいし、いろんな人に「頑張って」と言われても悔しいし。何を言われても悔しいなと思いながら。でも、しっかりと(準決勝で敗れた)ボードを見てからは、ちゃんと気持ちを切り替えることができて。でも、やっぱり3位決定戦が終わっても、そこまでうまくいっていないので、それでも悔しい気持ちがいっぱい。準決勝の悔しい気持ちもあるけど、3位決定戦で、そこまで良くない状態だったのが悔しい。3位決定戦で勝つことがまず大事。でも、勝つにしても、何しても、最後は出し切るというのがベスト。でも、よく勝てたなという感じです。

-田志希選手(韓国)との準決勝は、全部出し切れていたように見えたが

伊藤 田選手の時も、何がよかったのか。サーブレシーブがけっこう良かったと思います。頭の働きがすごく良くて、それが良かった分、足がちょうど動いてくれて、という感覚で。ただ(準決勝の)孫選手(中国)は、すごくサーブの質が高くて、それも分かった上でやっているんですけど。いろんなことができなかったのが敗因ですね。頭は回っているけど、できない、みたいな。その「できない」をなくしたくて、何でもできる状態に持っていきたいんですよ。田選手の時はそれができた、いろんなことができた。けど、準決勝がそんなにできなくて、3位決定戦もそこまで、いろんなことがいっぱいできたというわけではなくて。でも、ちょっとやったことによって、流れは変わりました。なので、サーブもきくようになったりしたし。そういう感じです。