卓球女子団体の決勝で日本が中国に0-3で敗れ、12年ロンドン五輪以来の銀メダルを獲得した。石川佳純(28=全農)、平野美宇(21=日本生命)ペアがダブルスで初戦を落とすと、続く伊藤美誠(20=スターツ)もエース対決で敗戦し、そのまま流れを逃した。08年北京五輪から始まった同種目で男女通じて初めての金はつかめなかった。

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力の差は明確だった。1ゲームは取るものの、そこまで。世界ランキング9位石川、同12位平野はダブルスで同1位陳夢、同4位王曼■(■は日の下に立)ペアとの第1試合で1ゲームを先取する。しかし、激しいラリー戦となると中国ペアが全くミスをせず、日本が力尽き失点。連続で3ゲームを落とし、先制点を奪われる。

2番手の同3位伊藤も同じ。同い年のライバル同2位の孫穎莎と打ち合うが、他国の相手となら決まっている球も孫は拾い続け結局、伊藤がミス。地力の差が如実に表れた。

女子団体はロンドン五輪から銀、銅、銀と3大会連続のメダル獲得を達成した。しかし、中国との差は埋められなかった。昨年11月、中国での国際大会に出場した石川は「中国はさらに強くなっていると率直に思った。コロナで試合がない分、めちゃくちゃ練習していたんだと思う」と述べていた。

世界選手権団体戦も含めると1971年名古屋大会以来、男女を通じて日本は世界一になっていない。中国の厚く長い壁がその行く手を阻む。この試合、スピード、ラリー、サーブ、レシーブそして粘りも、技術の全てで中国に歯が立たなかった日本。3年後のパリ五輪に大きな課題を残した。【三須一紀】