東京オリンピック(五輪)卓球の混合ダブルスで金メダルを獲得した水谷隼、伊藤美誠組が快挙達成の舞台裏を明かした。15日、NHKの「サンデースポーツ」に出演。ドイツに大逆転勝ちした準々決勝などでの心理状況を語った。

伊藤は「私より(水谷の方が)気持ちが強かったんですよ。いつもは私の方が気持ちが強いんですけれど、初めて上回られた感じがして。はあ、これはついていったら絶対に勝てる、絶対に挽回できるという流れでした」と話した。

卓球で日本勢が金メダルを獲得したのは、史上初めて。相手のマッチポイントを計7度もしのいだドイツとの激闘の場面を、水谷は「相手の表情がどんどんこわばってきて。こっちが点数を取るたびに相手は『台がぬれているよ』みたいな感じで間を取るんですよ。相手が嫌がっていて、この流れを何とか食い止めようといろんなことをしてくるんですけど、僕らはそれを気にせずとにかく目の前の1本に集中していました」と振り返った。

東京五輪後に、水谷は現役引退を表明し「諦めなければ奇跡は起こせるんだというのを証明できた」。気持ちの強さと、諦めない心でつかんだ金メダルだった。