東京オリンピック(五輪)男子グレコローマンスタイル77キロ級で銅メダルを獲得した屋比久翔平(26=ALSOK)が4日、一夜明けて会見を行った。

沖縄県出身選手として個人種目のメダルを獲得したのは初めて。「沖縄県の方々だったり、すごくメッセージをいただき、メダルを取ったんだなと実感しています」。念願のメダル獲得のうれしい夜だったが「ドーピング検査で長引いて、遅い時間になってしまった。ご飯を食べて布団にたどり着いたら、気絶しました」。全力を出し尽くした1日だった。

リフトの基礎を教わった父保さん(59)とは試合後に電話で話したという。「会話はシンプルで。僕が『(メダルを)取ったよ』と言ったら『そうか。お疲れさん』って。オヤジのところも電話が鳴り響いて、忙しかったと思います」。沖縄に帰り、1番にメダルをかけたい人について聞かれると「オヤジにかけてあげたい」と話した。

今後の目標については「銅メダルを取れましたが、競技をやるからには、世界のテッペンに上りたい。課題も見えてきた。1年1年、しっかり課題を克服していけば、金メダルに近づけるのでは。頑張っていきたいと思っています」と、早速、金メダルを目指すと宣言した。

無観客で行われた会場についても触れた。「自国開催で、ボランティアやスタッフに応援してもらって、通るたびに『頑張ってください』と声を掛けてもらいました。その声援が励みになって力になりました」と感謝した。【近藤由美子】