日本は前半の勢いを生かせず、後半から失速した。その理由をサッカー分析会社「データスタジアム」のデータを基に分析検証した。象徴的だったのがトップ下で先発した鎌田のパス成功数の変化。前後半別に90分換算で見ると、前半25・7本→後半14・0本に減少し、前半に3本あったシュートに直結したラストパスも後半は1本もなかった。

メキシコのしたたかさと修正力の高さで、24歳アタッカーの動きは封じられた。相手は後半開始と同時に2人を交代し、中盤の底にアンカーを置く形からダブルボランチに変更。前半はアンカーの両脇のスペースなど幅広い位置でパスをうまく引き出していた鎌田だったが、後半からはマンマーク気味に対応され、ミスも目立つようになった。存在感を放った前半から一転、得意のドリブル(前半2度成功)も後半は1度も繰り出せなかった。

それだけ相手に警戒されていたということだが、キーマンを抑えられた日本はメキシコのようにチームとして修正できず、後半18、23分と立て続けに失点。鎌田は29分に相手を背後から倒してイエローカードを受け、パスミス直後の32分に首をひねりながらベンチへ下がった。【石川秀和】

日本対メキシコ 前半、ドリブルする鎌田(左)。右はC・ロドリゲス(撮影・PNP)
日本対メキシコ 前半、ドリブルする鎌田(左)。右はC・ロドリゲス(撮影・PNP)