<国際親善試合:日本2-1ニュージーランド>◇6日◇豊田ス

 香川にとっては厳しい結果に終わった。本来はパスを受けてから決定的な仕事をするのが真骨頂だが、前半早々の決定機でシュートを外しては話にならない。やはり評価となるのは得点というシンプルなもの。パスの出し手として輝く選手ではないだけに、得点でアピールしたかった。

 これは香川を含めたグループ戦術の問題でもあるが、そのうちの1人でもアイデアや決断力が乏しければ得点には至らない。互いの長所を引き出し合う関係でないといけない。その意味でも香川はグループの中になじめなかった。昨年までは代表の中心にいたが、今は大迫ら別の主力が育ったことで連係面で追いついていない。

 逆に勝ち越し点の倉田は、決定的な場面に顔を出す準備ができていたのだろう。結果論ではなく、乾、酒井宏、倉田の3人は、よくあの土壇場で互いの長所を呼び込み合ったと思う。この連係こそが代表に生き残るすべであり、世界で勝つ方法である。(日刊スポーツ評論家)