森保監督は、3カ月後のアジア杯より3年後のW杯を見ているんだね。負傷の鎌田の代わりに南野が復帰した程度。先月の欧州遠征でドイツ相手に勝って、サブメンバーでトルコにも勝って、もう試すことはないと、思わせる人選だな。ドイツより弱い相手とのホーム2試合。今まで通りの戦いで勝てるという自信の表れだろう。

Jリーグで首位を走る神戸からはGK前川だけで、国内勢が少ない。Jリーグで20得点を挙げたFW大迫は呼ばれなかった。目標は3カ月後のアジア杯ではないからベテランを呼ばないのだろう。しかし、若手の抜てきや、その時の好調な選手を集めるなど、切磋琢磨がないと、チームは成長しない。安定期などの考えは捨てた方がいいよ。

アジア杯は親善試合とは違う。アジア王者を目指して、韓国、オーストラリア、イラン、サウジアラビアなど、アジアの強者が本気で挑んで来る。すでに脱アジアができたと過信したら大間違いだし、そのうちしっぺ返しを食うぞ。

11月にはW杯アジア予選が始まるため、今回の2戦がアジア杯に向け、最後の試すチャンス。もし森保監督が現状を安定期だと思って強化の継続だけを目指すなら、そのうち大きな挫折を味わうだろう。同じ代表で3年続くことはあまりない。代表というものは、挑戦とテストを繰り返しながら、強くなるものだ。それを失敗したのが今のドイツだよ。そこを忘れてはいけない。(日刊スポーツ評論家)