先日、日本代表経験のある元選手とリモートお茶会を開いた。しらふなのに盛り上がったのが、次期日本代表監督について。あくまで茶飲み話という前提の下、元代表選手ならではの意見があったので、一部を紹介したい。

22年W杯カタール大会へは現在、森保監督が指揮しており、予選を突破して本大会で結果を残せば続投はある。それは承知の上、26年W杯米国、カナダ、メキシコの史上初3カ国共催大会へ、誰が指揮を執っているかを予想した。

元選手は、自身の体験談からモノ申した。

「残念ながら、現在の日本人に候補はいない。代表監督に必要なのは、試合のマネジメント力とカリスマ性。普段、特別なことを言わなくていい。局面で選手の心に刺さる言葉を出せるか。新聞でも見出しになる言葉は必要のはず。岡田武史、西野朗監督は、その要素は持ち合わせていた」

取材歴30年になる記者は「完全に、いないわけではない」と応戦。心の中に温めていた、次期代表監督のリストを披露した。

第1候補はツネ様。W杯2大会出場、代表主将も務めた43歳のG大阪宮本監督。スター性があるし、クラブも代表へ送り出す気はある。何より今、本人が猛勉強中。伸びしろは最もある。あとは結果がほしい。

第2候補以下は、一昨年J2、昨年J1優秀監督賞に輝いた49歳の大分片野坂監督。森保型の実直さが武器だ。外国人になるが、ドイツ人の神戸フィンク監督や、スペイン人のJ2徳島ロドリゲス監督。いわゆるオシム方式で、日本で成功しているJリーグ監督を引っ張る手はある。

元選手は返答した。決して指導者として評価は高くても、代表とクラブは別モノという考えだ。

「どれも就任の可能性は、ないと思う。代表に欲しいのは夢。日本に候補がいないのなら、シャビ(元スペイン代表MF、現カタール・アルサド監督)を呼んでくればいい。引退が前提になるが、間に合うならイニエスタも夢がある」

森保ジャパンがW杯本大会に行けば、次期監督の人事は22年末にも方向性が出る。森保監督が一定の成果を収めれば、続投を含め、日本人路線継続を支持する声が高くなるだろう。

逆目に出れば、元選手の推しメン、シャビ監督が就任しているかもしれない。2年5カ月後の人事を巡り、日本一気の早いサッカー談議だった。【横田和幸】

◆横田和幸(よこた・かずゆき)1968年(昭43)2月24日、大阪府生まれ。91年日刊スポーツ入社。96年アトランタ五輪、98年サッカーW杯フランス大会など取材。広島、G大阪などJリーグを中心にスポーツ全般を担当。

(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「現場発」)