J2東京ヴェルディの羽生英之社長(53)が9日、今季限りでイタリア1部ローマを退団する元イタリア代表FWフランチェスコ・トッティ(40)の獲得に動いている件について、代理人側から「(フロントとして)ローマに残るか、東京Vで現役を続けるのかの二択になった。米国の件は消えた」と話があったことを明らかにした。

 羽生社長は同日、東京・味の素スタジアムで行われたファジアーノ岡山戦後、報道陣の取材に応じた。その中で、トッティが米MLSのマイアミと、ロサンゼルスのチームから獲得のオファーがあったが「それはなくなった」ことも明らかにした。代理人側からは6日に連絡があったというが、その中で「ローマのトッティで終わってほしいという声は、やはりすごくある」と、地元から移籍に反対の声が出ているという話もあったという。

 伊紙コリエレ・デロ・スポルトによると、トッティは現在、スペインのリゾート地イビサ島でバカンス中だという。羽生社長は「(ローマは)すごい騒ぎになっていて、本人も普通に考えられる状況じゃないと聞いている。だから1人で旅行に行って、1人で考えて決めたいと言っているみたいなので、本人も相当悩んでいるんじゃないですか」とトッティの心中をおもんぱかった。

 獲得に動いていることが明らかになった6月25日から、約2週間が経過した。移籍のウインドーは21日に開くため、そこまでに獲得できた場合、最短では22日のカマタマーレ讃岐戦への出場も可能になる。羽生社長は「(決断の)デッドラインをここまでにしてほしいと言うのか、ゆっくり考えてもらった方がいいのか…」と悩ましい心中を吐露した。

 トッティの獲得がかなわなかった場合、他の選手の獲得に動くか聞かれると、羽生社長は「それは、ない。トッティスペシャル。ダメだったら他の選手という話にはならない」と断言。「選手の人数は足りていることは足りている」と話した。

 関係者によると、トッティ側からは300万ユーロ(約3億7500万円)を示されているという。