50メートル5秒8の快足で今季、大ブレイク中の水戸ホーリーホックFW前田大然(19)が、FC岐阜戦で2戦連続となる今季11点目のゴールを決めた。

 前半1分が回ったところで、中央のFW林陵平(31)がヘッドで前線にボールを送ると、前田はDF3人の間に飛び込んで、左足でトラップした。そのまま体を沈めるようにしてDFを振り切ると、右足を振り抜き、ゴールに突き刺すようなシュートを決めた。

 ところが後半、オウンゴールを含む2失点を喫して逆転負けし、前田のシュートもゴールを決めた1本に終わった。

 この日、陸上の日本学生対校選手権決勝で、桐生祥秀(21=東洋大4年)が9秒98をマークし、日本人初の9秒台を記録した。同じ日に、J屈指の快足で2年目の今季、一気に名を挙げた前田もゴールを決めたが勝てなかった。

 試合後の表情はさえなかった。総括を聞かれると「(岐阜に)好き放題、やられた試合でした。後半、もっとプレスに行ければ良かった。自分も行ければ良かったですけど、行けない部分が僕自身、チームにもあった。もっと行くべきだった」と反省した。

 ゴールについては「常に、狙っているんで。自分のところにボールが来て、良かった」と淡々と振り返った。

 ただ、2戦連続で11点目を決めたことに話を向けられても「今は個人より、チームが勝つことが第1優先。やっぱり、FW1点じゃ勝てないので2、3点取る力を、もっとつけていかないと、残り10試合、勝てない。もっとゴールを狙っていきたい」と反省を繰り返した。

 ホームでは8月16日の京都サンガ戦に勝って以降、1分け1敗。前田は「勝ちたかった」と声を絞り出した。【村上幸将】