「個人としてリベンジしたい」。ベガルタ仙台GKシュミット・ダニエル(25)が今日16日のアウェーFC東京戦へ、高らかに宣言した。今季J1公式戦初出場した、3月のルヴァン杯1次リーグの同戦で6失点と惨敗。屈辱を味わった味スタのゴールマウスに、再び立つ。

 惨劇から自分を見つめ直した。昨年、J2松本での活躍もあり、日本代表GK合宿に参加した。代表入りを掲げ、満を持して迎えた今季の初陣だっただけにショックは大きかったが、「素直にアドバイスを聞けるようになった。勝って、感謝できるようにしたい」と言う。あれから半年。成長を自覚し「相手のGKに負けたくない」と、同合宿に参加した、東京GK林彰洋(30)を意識した。

 味スタでは過去公式戦11試合で、1分け10敗と分が悪い。平均失点は約2・6点。さらに得点王経験者で現在7得点とチーム得点王のFW大久保嘉、ウタカは脅威だ。今季公式戦2戦で、この2人に計3ゴールを許した。だが「映像はあるし、イメージもある。敵地を黙らせるくらいの活躍をしたい」と宣言した。

 父親の誇りも、取り戻す。5月、ホームでの東京戦。昨年生まれたばかりの愛娘と一緒に初めて入場し、記念写真に納まった。激務を繰り返す守護神にとって、絵本の「いないいないばあ」を読み聞かせる時は、至福のひととき。「初勝利を届けたいですね。入場の時に、いつか抱っこして一緒に入場したい」と燃えていた一戦で、2失点し完敗した。今季東京とのラストゲーム。すべてを取り返すには、今日しかない。【秋吉裕介】