湘南ベルマーレの曹貴裁監督(48)は28日、東京・味の素スタジアムで行われた東京ヴェルディ対アビスパ福岡戦を視察し、福岡が0-0で引き分け、1年でのJ1復帰が決まったことを受けて囲み取材に応じた。主な一問一答は、以下の通り。

 -1年での復帰が決まった率直な思い

 曹監督 明日の試合(29日のファジアーノ岡山戦)に向けて、今日の練習でも粛々と準備していましたし、今日の結果がどうであれ「明日の試合でやることは変わらない」と選手にも伝えてきましたし。

 -アウェイで昇格を決めてきた。試合のないところで決まるのは複雑では?

 曹監督 J2からJ1には2チーム+プレーオフの1チームだけしか上がれないわけで、本当にみんな、人生をかけてリーグ戦に臨んできた。そもそも、今年0からスタートする中で昇格だとか優勝だとか、僕は1度も言っていない。選手が去年、その前の悔しさ…ここに残って強くなるんだという気持ちが、我々が試合はないですけれども、こういうところで決まったのかなとも思います。明日も含めて4試合ありますけど、今までと変わらぬ努力を続けていくのと同時に、ここで昇格を決めたのは何か意味があるのかなと…そんな気がしています。

 -これまでの昇格と意味合いが違う?

 曹監督 コーチ(だった09年)を含めて4度目の昇格ですけど、(監督)1度目(監督初年度の12年)は、若いチームで本当に勢いだけがあったという…平均年齢22歳くらいのチームで最終戦で決めた。(史上最速&最多の勝ち点101を挙げた)14年は、自分たちのスタイルを確立し、サッカー面でも円熟期にあった昇格だったんじゃないかなと。今年は選手がどう思ったか、分からないですけど、僕の中では本当に、言葉は変だけれど、すごく悩みましたし考えましたし…そういう意味では試行錯誤とか、思考とか、そういう意味合いの昇格だったんじゃないかと思います。全部の昇格がうれしかったですけど、今年の昇格は本当に全員で0からスタートして、14年の登録メンバーは4、5人しか残っていない中でも、新しい選手がチームコンセプトをしっかり理解してやってくれたことで言うと、思考した分だけ、非常にうれしく感じる昇格だったと思います。

 -全員で決めた昇格

 監督 今、思うのは、このチームの5~10年後を考えて選手を起用したり、獲得したり、やり方を決めるのは監督の仕事だと思うんですけど、俺にそんな力はないなと開き直った部分もある。目の前の1日とか、今年1年を今いる選手に充実感を与える年にしないと先はないと思った。もちろん、どの年も全員で戦った末の昇格だし、降格だったと思うんですけど、1歩ずつ進んでいると言うよりは、少なくとも半歩ずつ進めなきゃいけない。一歩進むにも、すごく時間がかかった。1歩進むことによって、2歩後退するようなリスクもあった。でも、半歩ずつ進むことによって、選手が非常に大人になったし、勝ちたいという気持ちを表情に出せるようになった。

 -昇格の瞬間、込み上げてきた思いは

 監督 込み上げてくる時間もなく、皆さん(記者)がいたので、しゃべらなきゃいけないから、込み上げる暇もありませんでした。みんながこんなに集まって、たくさん写真を撮るんで、冷めちゃいました(苦笑い)

 -福岡戦は淡々と見ていた

 監督 案外、冷静なんで(笑い)

 -今日は、ゆっくり眠られそう?

 監督 いやぁ…分かんないなぁ。寝るとか起きるとかの感覚が最近、ほとんど、なかったんで。だけど、ゆっくり眠りたいなと思わない自分もいる…明日、試合なので。そういうことを言われると、ゆっくり寝ようかなという気分になりましたけど、選手に「曹さん、何してるんだよ」と言われそうなので、普通に寝ようと思います。