J1で5位の北海道コンサドーレ札幌はMIOびわこ滋賀(滋賀)に2-1で競り勝った。前半は0-0と苦しんだが、後半11分、FWジェイ(36)が先制ゴールを奪うと、いったん追いつかれた直後の同28分に、FW都倉賢(31)が決勝の2点目を決めた。JFL所属相手に1点差勝利を収めてJ1の意地を見せ、3年ぶりの3回戦進出を決めた。

 都倉が、札幌に漂う重苦しい雰囲気を吹き飛ばした。後半11分に、ジェイのゴールでようやく先制も、同27分に追いつかれる嫌な流れ。だがすぐに、地元・厚別のサポーターに歓喜を届けた。相手ゴールからわずか1分後。途中出場のFW内村からのパスに反応し、決勝ゴールをたたき込んだ。都倉は「しっかり勝てたのが全て」。負ければ敗退のトーナメント戦。J1チームの意地で白星をつかんだ。

 序盤は相手の気迫に押された。パスもクロスもつながらない。前半13分には都倉のシュートがクロスバーにはね返され、同34分にはFKからジェイが頭で合わせるも、今度はゴールポストを直撃した。先月20日の神戸戦以来、今月は唯一の公式戦。ミハイロ・ペトロビッチ監督(60)が「動きが重かった。リーグ戦で蓄積した疲労が見えた」と振り返った通り、なかなか調子を上げられず苦戦を強いられた。だが先発メンバーは、リーグ戦の主力がメイン。流れを引き寄せてからは攻撃の時間帯を増やした。

 指揮官がワールドカップ中断期間中の練習での強化ポイントに挙げる、DFラインからの攻撃の組み立てや、前線のコンビネーションなどは、この日の一戦からも課題として見えた。チームは今日7日から長期オフに入り、18日からの練習再開後は2部練習が続く。「選手にとっては非常にハードなトレーニングとなる」と指揮官。ジェイは「1カ月しっかり練習できるチャンス」と歓迎し、都倉は「レベルアップする」と宣言。7月11日のJ2福岡との3回戦では、さらに成長した姿を見せる。【保坂果那】