右サイドバックのDFサムエル・サントス(28)が、リーグ戦初出場へ強烈アピールした。J2新潟は24日、クラブハウス隣接のピッチで新潟医療福祉大と練習試合を行った。3-1で勝ったゲームで2得点して、存在を見せつけた。0-0の前半21分にシュートのこぼれ球を押し込み、後半4分にはPKを決めた。

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時折、雪が舞い落ちるピッチ。「寒い過ぎ」と独特な日本語で話したDFサムエル・サントスが、白い歯を見せた。初体験となった雪の中のゲームで、2ゴールを決めた。0-0で迎えた前半4分の先制点は、シュートのこぼれ球を押し込んだ。1-0の後半4分にはMF本間至恩(18)が倒され、得たPKを「譲ってもらって」蹴る。「日本人GKは蹴る前に動くイメージ」と、ゴールマウスのど真ん中にキックを決めた。

「監督が求めているプレーを全力でやることが大事だと思っている」とサムエル・サントスは言う。片渕浩一郎監督(43)が要求しているのは守備で、ポジショニングが少しずつ修正されてきた。指揮官は「4バックの距離感を保てるようになった。守備が安定してきた分、攻撃に行く回数が増えてきた」と評価する。第5節を終えたリーグ戦で、外国籍の選手は4人出場経験しているが、5人目の男に名乗り出た。

初来日だが、日本にはなじんでいる。「右、左、前、後ろ、行け」などの日本語を使いこなして、プレー中の意思の疎通も問題なし。ホームスタジアム・デンカSの雰囲気も、お気に入りで「サポーターのクラブに対する愛情に驚いた。初めての日本のクラブが新潟で幸せに思う」と言う。だからこそ、リーグ戦初出場を待ち望んでいた。「J2の試合に出るために、いい準備をしておきたい」。サムエル・サントスのスタンバイは調った。【涌井幹雄】