ベガルタ仙台は12日、仙台市内で非公開練習を行い、DF平岡康裕(34)がオンライン取材に応じた。

7月4日に無観客でリーグ再開するが、清水エスパルス時代の14年3月、埼玉スタジアムで行われた浦和戦で、Jリーグ史上初の無観客試合を経験。「自分たちの声だけがスタジアムに響く不思議な感覚で、苦しいときに応援があることで力の出方が違う」とサポーターの存在の大きさを身をもって感じた。6年前の経験をチームに還元していく。

本来なら真っ赤に染まるスタンドに誰1人いなかった。当然、アウェーチームを苦しめる大ブーイングもなく、静かなピッチで90分フル出場した。その試合は当時もチームメートだったFW長沢駿(31)が先制ゴールを挙げたものの、1-1で引き分け。平岡は「自分たちの気持ちを引き締めるのが大変だった。しっかりとチーム全体で鼓舞しながら集中力を切らさずやらないといけない」。練習試合のような環境で、モチベーションを保つ難しさがあった。

しかし、今回は状況が違う。2月末の開幕戦後に4カ月超の中断を経て再スタート。「公式戦が始まって最初の試合となればモチベーションは1人1人持っていると思う。無観客を経験している僕や(長沢)駿がチームを引き締める言葉をかけ、プレーしていけたら」。守備の要、リーダー格として、先頭に立って味方を鼓舞する。【山田愛斗】