Jリーグは、10日のJ2ファジアーノ岡山-ギラヴァンツ北九州戦(Cスタ)から上限5000人の有観客試合に踏み切る。新型コロナウイルス感染予防の3密(密閉、密集、密接)回避へ、どのような試合運営が行われるのか? ウィズコロナのJリーグ、各クラブの取り組みや現状を紹介する。

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J2大宮アルディージャのゴール裏が“満員”になる! 11日に本拠地NACK5スタジアムにサポーターを迎え入れ、東京V戦に臨む。チケットは約4000枚の発売だが、1階のゴール裏の立ち見席は、4日のホームでのリモートマッチ・群馬戦で導入した600超のパネルサポーターを引き続き利用。観客のソーシャルディスタンスを保ちながら、満席のホーム感を醸し出すことになる。

パネルは発泡素材で、1体2500円(税抜き)で販売されたもの。クラブでは「せっかくご購入いただいたので活用させていただこうと。制限付き開催においても、より多くの方にホームゲームに関わっていただきたいなという思いがあり、補足的に、ソーシャルディスタンスの確保にもつながっています」。

立ち見席に600のパネルを観客と観客の間に設置することで、席の「密」を避ける工夫になるほか、人とパネルが交互に並び、見た目が満員になる仕組みだ。4日のリモートマッチでは、クラブスタッフが1体ずつ、立ち見席の手すりに、ひもでパネルを結び約4時間かけて設置した。次節も、観客席を格子状に空けながら設置する。

リモート応援も11日の試合で導入予定。観客は手拍子、声を出しての応援などは禁止されているが、ヤマハが開発したリモート応援システムを活用し、観客がスマートフォンのアプリのボタンを押すことで、声援や拍手、歌で選手を鼓舞する。J1昇格を目指す大宮は現在、開幕から3連勝で首位。観客とパネルサポーターの前で4連勝を届けるつもりだ。【岩田千代巳】