センターバックとボランチの2役でJ1ベガルタ仙台を支えるDF吉野恭平(26)が古巣戦で再起を目指す。宮崎3次キャンプの24日、11対11のミニゲームなどで調整。昨年9月に反復性右肩関節脱臼で長期離脱し、27日の広島との開幕試合(エディオンスタジアム広島)が復帰戦となる。19年まで在籍したチームが相手でも「今はベガルタの一員。多少は懐かしい気持ちはあるかもしれないが、勝って恩返ししたい」。勝ち点3獲得だけに集中する。

加入1年目で主力に定着し、昨季は開幕戦から14試合連続先発と好スタートを切ったが暗転。14試合目で脱臼し、昨年中にピッチへ戻れなかった。17位から巻き返しを狙う開幕前の心境は「個人的にもチームとしても去年は悔しい思いをした。新たなシーズンでワクワクする気持ちと去年のことを忘れてはいけない危機感と両方入り交じっている感じです」と打ち明ける。

キャンプ期間の練習試合で実戦復帰した。「久しぶりの試合で、そこをけがなくこなせたのは自分にとって自信になった」と不安を払拭(ふっしょく)。自身の役割については「攻撃のリズムをつくることが必要だと思うし、守備ではしっかり後ろで構築する部分と前からアグレッシブに行く部分の使い分けが大事になる。しっかり組織をコントロールできればいい」と後方から存在感を示す。

吉野は仙台市出身。東日本大震災から10年を迎える今季に向けて「節目の年なので、去年、みなさんに悔しい思いをさせてしまった分、希望の光にならないといけない。僕たちができるのはピッチで結果を残すだけだと思うので、チーム全員で頑張りたい」。持ち味の戦う姿勢をピッチで体現していく。【山田愛斗】