ドイツ2部ブレーメンから神戸に移籍の日本代表FW大迫勇也(31)が、鹿島時代以来約7年8カ月ぶりのJリーグ復帰をいきなり先発で飾った。

23日にチーム練習に合流したばかりで、アウェー大分戦に先発。後半31分までプレーし、ゴールこそなかったがさすがの存在感を示した。MFイニエスタがPKで決勝ゴールを決め、神戸が3-1で勝利した。首位川崎Fは0-1で福岡に敗れ今季初黒星。13戦負けなしの2位横浜が勝ち点1差に迫った。

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大迫の7年8カ月ぶりのJリーグ復帰はサプライズだった。ドイツから帰国、隔離期間をへて23日にチーム合流したばかり。その2日後、アウェーの大分戦で先発のピッチに立った。鹿島時代の13年12月7日広島戦以来のJの舞台だった。

三浦監督は「もたなくてもいい。スタートで出て少しでも長くプレーして選手の特徴を理解してほしいということで決断した」と明かす。大迫は「かなりしんどかったですよ」と苦笑いも、「今日出られたことは次につながる。これからコミュニケーションをとってビデオを見ていけば、さらによくなる感触がある。レベルアップしていきたい」と意欲的に語った。

神戸のサッカーに「化学変化」をもたらす。指揮官は「(大迫は)ゴールこそなかったが、ボールがしっかり収まるしその他の仕事はしっかりしてくれた」。前半ロスタイム。MFイニエスタが決勝点を決めたPKは、大迫と武藤のコンビで相手のハンドを誘発して得たもの。大迫は「ヨッチ(武藤)がうまく抜けてくれて、いいプレーだったと思います」と振り返った。

イニエスタとの共演も楽しみをつないだ。「アンドレス(イニエスタ)がボールを持ったら何か起きそうな気がする。やっぱりすごいなと」。3位に浮上したチームをさらに押し上げる期待感ばかりが膨らむ。【実藤健一】