優勝候補筆頭格の呼び声が高い青森山田が東山(京都)に2-1で競り勝ち、4大会連続で準決勝へ駒を進めた。黒田剛監督(51)は「ひと言で言えば、相当硬い入りをしてしまった。前半は頭がまわっていない状態だった。1対1で折り返せたことが良かった」と試合を振り返った。

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青森山田の“代名詞”がさく裂した。1-1の同点で迎えた後半13分だ。FW渡辺星来(せら、3年)が右から放ったMF藤森颯太(3年)のロングスローをゴール前で待ち構えると、最後は右足で決勝弾を突き刺した。渡辺は「『絶対に決めるぞ』と思って試合に臨んだ。ハーフタイムの時に(黒田)監督から『今日は絶対、お前のところに来るから』と言ってもらった。自分はセットプレーから得点することが多かった。自信を持って飛び込んだら足に当たって入ってくれた。とてもうれしかった」と今大会3試合目で飛び出した初ゴールに笑顔だった。

先制点を奪ったのは東山だった。前半16分。左からのクロスを頭で合わせられて失点。今大会初めて追う展開となったが、百戦錬磨の経験値を積み上げてきた青森山田に動揺はなかった。前半ロスタイム、相手のハンドで獲得したPKをFC東京内定のMF松木玖生(くりゅう、3年)が同点ゴール。メンタル面での勝負強さを発揮し、背番号10は頼もしく言う。「いつもと変わらなかったです。キーパーの動きを見ながら、冷静にいけたのかなと思います」。

黒田監督と対戦相手の福重良一監督(50)は大体大時代の同期でもあり、旧知の仲にある。青森山田が優勝を飾った今夏の全国高校総体準々決勝でも対戦しており、福重監督は「高校総体王者を相手に、黒田監督を焦らせてやろうかと思っていたんですけど…。子どもたちは覚悟を決めてやってくれたと思います。私の力不足です」と悔しそうに話した。

18年度以来3大会ぶりの頂点まであと2勝とした。次戦は8日、8年ぶり開催となった「聖地・国立」に舞台を移し、高川学園(山口)と桐光学園(神奈川)との勝者と激突する。全国高校総体、プレミアリーグEASTとの「3冠」実現へ-。青森山田イレブンの挑戦は続く。【佐藤究】

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