SC相模原が、Y.S.C.C.横浜に4-0と快勝した。

前半35分にMF藤本淳吾の柔らかいタッチの縦パスを受けたMF松橋優安が左足を振り抜き、豪快な先制点。前半ロスタイムに相手GKのパスミスを拾った松橋がそのまま右足で追加点を奪った。

後半にも7分にDF石田崚真、24分にMF伊藤恵亮が加点。試合は一方的な展開。この勢いのまま、相模原は7月17日の第17節鹿児島戦以来、7試合ぶりの勝利を収めた。

ゴールラッシュに沸いた試合で、将来が嘱望される新たなタレントが現れた。

後半27分から相模原ユース所属で2種登録でトップチームに合流しているMF藤野心魂(こすも)が出場。高校2年生、17歳3カ月4日にしてJ3デビューを果たした。

175センチ、73キロのがっちりした体格。藤野はボランチの位置に入り、果敢に相手ボールを奪い、正確なパスでボールを散らした。自ら周囲に声をかけ、連係を取るなど高校生とは思えない堂々としたプレーぶりだった。

自らのデビュー戦に勝利した藤野は試合後、バックスタンドで応援していた父の大和さんと抱き合い、満面の笑みを浮かべた。「緊張しました」と言う大和さんの目には、うれし涙がジワリとにじんでいた。

藤野は「(デビューできて)うれしかったです。興奮しました」。子ども時代によくサッカー観戦に訪れた三ツ沢は思い出の地。「自分にとってここでデビューできて良かった。お父さんと一緒によく来たところです」。

また、自分のプレーについては「(1対1の)デュエルの部分とか、自分のプレーが通用することもわかりました。まずはプロ選手になるのが目標。将来は海外にも行きたい」と目を輝かせた。

未来へ大きな夢を抱く若者が、Jのピッチに確かな第一歩を記した。