2大会ぶり10度目出場の帝京長岡(新潟)は、長崎総合科学大付(2大会ぶり9度目)を3-2で下し、初戦を突破した。前半22分にハーフウエーライン付近からのロングシュートで先制されるが、同41分にMF橋本燦(3年)がMF山村朔冬(3年)の左クロスに飛び込み、同点。1-1で折り返した後半19分に勝ち越しを許す。それでも、後半途中出場のFW谷中習人(3年)が左足シュートがさく裂。同27分に同点弾、同ロスタイムには決勝のゴールを決め、逆転勝利に導いた。31日の2回戦は市船橋(千葉)と対戦する。

 

選手権新潟県大会では「応援団長」だった男が、劇的勝利の立役者になった。1-2の後半21分にピッチに投入された谷中は同27分、橋本の縦パスに抜け出すとグングンと加速して同点ゴールをゲット。同ロスタイムにはMF原壮志(3年)の左クロスから左足を振り抜き、試合を決めた。

「『苦しい時間帯に行くぞ』と言われていた。絶対に自分のゴールで試合を決めてやろうと思った。自信はあった」

栃木県出身の谷中は選手層の厚い帝京長岡で主力に定着できず、トップとBチームを往復した。今年もトップが主戦場としたプリンスリーグ北信越1部の2つ下のカテゴリー、新潟県リーグ1部でプレー。選手権県大会は全試合で応援団長を務めたが、最後の全国の大舞台でベンチ入りを勝ち取った。「背番号が言われた時は、涙が出るぐらいうれしかった」。決勝点を決めた後は応援スタンドに一直線で駆け寄った。「つらい時も一緒に上を向いて頑張ってきたメンバーがいたので気持ちと体が勝手に動いた。一緒に喜びたかった」とチーム愛をさく裂させた。

チームは序盤は「らしくない」ミスが目立ち、前半22分には中盤で横パスを奪われ先制点を献上する。1-1で折り返した後半19分にはGK小林脩晃(2年)のファンブルから一時、勝ち越された。それでも諦めず、もぎ取った初戦突破に、谷口哲朗総監督(50)は「苦戦することは分かっていた。課題は多いが、選手がよく我慢してじれずにやった」と振り返った。

31日の2回戦は高川学園(山口)に4-1で大勝した市船橋(千葉)と対戦する。谷口総監督は「千葉(の会場)で、市船橋とできることはありがたいこと。いい準備をして立ち向かいたい」と話し、この日、スポットライトを浴びた谷中も「一体感を持ち、全員で全力、全開で走る」と真っ向勝負を誓った。【小林忠】

【日程・結果】第102回全国高校サッカー選手権