2回戦屈指の好カードを制したのは、2大会連続出場の昌平(埼玉)だった。米子北(鳥取)に1点リードされた終了間際、劇的な同点ゴールでチームを救ったのは途中出場の1年生だ。後半31分に投入されたMF長璃喜(りゅうき)が右サイドからのクロスを頭で合わせた。
その勢いのままPK戦の末に勝利を収め、3回戦へと駒を進めた。
166センチの長が、大仕事をやってのけた。右サイドからのクロスボールにタイミング良く高くジャンプして、ゴールネットに揺らした。「本当に覚えていなくて…」と謙遜するが、先輩たちの歓喜の輪になだれ込んで祝福を受けた。「ヘディングは全く練習していなかった」が、これで1回戦に続いて2試合連続ゴール。わずか10分間のプレーで結果を出した。「チームが勝てたことが良かった。うれしいです」と破顔した。
昌平の下部組織であるFC LAVIDA出身。10番をつける兄で長男の準喜(3年)を追いかけるようにして強豪の門をたたいた。「見ていて楽しいから」尊敬する選手に挙げる本間至恩(クラブ・ブリュージュ)をほうふつとさせる小回りの効いたドリブルや並外れた得点感覚で、早くからチームの信頼を勝ち取ってトップでの出場機会を得た。
ところが、予選の県大会中には右足首を痛めるなどけがに泣いた。「けが明けに調子が悪かった時に3年生たちに迷惑をかけた。3年生たちと最後の選手権でチームの役に立ちたい」と今大会にかける思いは強い。
1年生ながら物おじしないプレーぶりに、指揮官からの信頼も厚い。村松明人監督は「小さいので、あの得点のイメージはなかった。トレーニングでもどんどん(上級生たちを)抜いていきますから」と言う。上級生と頼れる下級生との融合で、日本一を目指す。



