ヴィッセル神戸は12日、本拠地ノエビアスタジアム神戸で会見を開き、湘南から期限付き移籍していたMF斉藤未月(25)を完全移籍で獲得したと発表した。契約年数は3年プラス、オプション。
会見には斉藤、千布勇気社長(38)、永井秀樹スポーツダイレクター(SD、52)が出席した。
23年に神戸に期限付き移籍した斉藤は、同年8月19日のホーム柏戦で、相手から過度に激しいタックルを受けて左膝を負傷。試合ではノーファウルの判定だったが後日、日本協会審判委員会は「見解はレッドカード」と謝罪するほどだった。
斉藤は左膝の関節脱臼、左膝の複合靱帯(じんたい)損傷など極めて深刻なけがを負い、同年8月23日に1回目の手術を受けて全治約1年、11月17日に2回目を受けた時点で、全治8カ月と発表された。
会見にスーツ姿で臨んだ斉藤は「多くの方の支えがあり(神戸への完全)移籍が実現した。初めての完全移籍で選手としてプレーしていくが、まずはけがを治すことに専念し、1年間過ごしていきたい」とあいさつした。
さらに「湘南への思いはある」と、古巣に感謝しつつ「実際に離れて今年で4年目になり、いつも自分の心に置いているのは変化を恐れず、結果がどうであれ、やり続けるということ。それをかなえてくれるのが神戸」と説明した。
負傷した場面については「重傷だなとすぐに分かったが、それより、周囲の人に悲しい顔をして話さないでくれと伝えていた。僕自身すぐに、切り替えができていた」と、常に前向きで過ごしてきたという。
千布社長は、3年契約にした理由を「ゆっくりけがを治してほしい。選手、人間としても、クラブにとって必要。このような契約を結べるのはうれしい」と胸の内を語った。
永井SDは「あってはならないこと」と、負傷の場面を振り返りつつ「見舞いに行った病院で(斉藤は)僕らに笑っていた。悲しい顔をしないでくださいよ、と言っていた。すごい男だなと思った」と、心から人間性を称賛した。
神戸はクラブの所属選手として大けがをした斉藤に対し、道義上の観点からも完全復活までサポートすることを表明し、昨年途中から湘南と交渉していた。この日の会見は公式YouTube番組で生配信し、クラブ側は斉藤へ最大限のリスペクトを示した。
大けがで離脱するまでの斉藤は守備的MFとして22試合に出場し、リーグ戦初優勝への立役者になった。今季前半戦の復帰は絶望的だが、診断通りだと、夏以降にはピッチに戻る可能性はあるが、まだまだ具体的なものではない。
斉藤は「まだ、ジョギングや負荷の高い練習はできていないが、本当に順調。今季中に復帰したいが、焦っても仕方がない。ていねいに根気よく、治していければいい」と説明し、長期的な視野で復帰を目指す。
神奈川・藤沢市生まれの斉藤は、湘南の下部組織出身としてプロ契約を結び、その後はルビン・カザン(ロシア)、G大阪を経て神戸に移り、J1通算130試合6得点。166センチ、66キロと小柄ながらボール奪取力にたけた選手で、年代別日本代表にも選ばれてきた。



