サガン鳥栖のU-22日本代表FW新川志音(しんかわ・しおん、18)が驚異の2発で、チームを2連勝、J1昇格プレーオフ圏内の5位浮上に導いた。
3試合連続ゴールとなる初の1試合2発、ここ3戦4発の大爆発。
怪物ストライカーは「まだまだ点を取っていかないと、J1に昇格できない。自分が点を取って勝利に導ければいい。熱い応援が力になった」と、本拠地のサポーターに感謝した。
ユース(U-18)所属の高校3年ながら、今季は2種登録で、これで25試合5得点。既に来季のプロ昇格が内定している。
驚異の2発だった。
1点目は1-1の同点で迎えた後半24分。途中出場からわずか9分後、左サイドでスローインのボールを受けると、ドリブルから鮮やかなフェイントでゴール前に進入。相手DFを置き去りにし、右足の勝ち越し弾丸シュートを決めた。
「落ち着いてプレーすることが、点につながると思っていたので良かった。うれしいです」
次は3-1で迎えた後半39分、自らが得たPKを右隅にきっちり決めた。1点目の個人技を見せられた熊本側は、18歳をファウルで止めるしかなかった。
だが、このPKがさらなる怪物伝説を生んだ。小菊昭雄監督(50)は、PKのキッカーにMF西川潤(23)を指名したが、新川はこれをスルー。
ボールを放さず、新川本人いわく「チームのルール的には、だめだったんですが、潤君が譲ってくれて、絶対に決める気持ちで決められたので良かった。あっち(右側)に決めると決めて蹴りました」。ストライカーには、少なからず必要とされるエゴイストの要素も示した。
通算14勝7分け9敗の勝ち点49とした鳥栖は、これで8位から5位に浮上。3~6位のプレーオフトーナメント進出はもちろん、自動昇格圏の首位水戸、2位長崎に、勝ち点6差に迫った。
チームは前節甲府戦で今季最多3得点をマークしたばかりで、今節は更新する4得点の快勝。残り8試合は次節今治戦から山口、秋田、仙台、徳島、富山、藤枝、磐田と続く。怪物新川が勢いづけた鳥栖が、1年でJ1復帰を果たす。
○…鳥栖小菊監督は試合後のインタビューで、新川について「素晴らしいゴールだったと思う。2点目に関しては、私たちのルールで、前日(の練習)にPK2本を決めた選手に蹴る権利が発生します。彼は1本外しているので、私は(西川)潤を(キッカーに)指名したが、彼は私の指示を無視して蹴りましたので、しっかり説教したいなと思っています」と説明。規律を重んじる指揮官だけに、目は笑っていなかった。
◆新川志音(しんかわ・しおん)2007年(平19)8月6日、大阪府生まれ。大阪の名門RIP ACE SCから鳥栖U-18に進み、25年はJ2開幕から2種登録でベンチ入りを果たし、ここまで25試合5得点(先発5試合)。今夏は飛び級でU-22日本代表に選出され、U-23アジア杯予選(ヤンゴン)にも出場。背番号47。171センチ、65キロ。



