<J1:G大阪2-6柏>◇第16節◇6月30日◇万博

 酒井の門出を祝う6発!

 ドイツ1部ハノーバーに移籍する柏DF酒井宏樹(22)が、ラストゲームを大勝で飾った。敵地G大阪戦は完勝。首位仙台に勝ち点5差の4位に浮上した。酒井は右サイドバックでフル出場。得点に絡む動きはなかったものの、後半15分に相手DF藤春を吹っ飛ばして突破を防ぐなど守備で奮闘。欧州へ旅立つ期待のDFは、仲間へ最後の言葉を残した。

 「今日は攻撃陣に助けられました。チーム力が戻ってきたのはうれしい。調子を上げて、みんなはもう1度、クラブW杯に帰るのが目標なんで。ボクは一緒に出ることはできないですけれど、テレビで応援します」

 「酒井のために-」を合言葉にするように、思いは1つになった。MF沢昌克(29)が3発の活躍で、03年5月10日以来、勝利のなかった「鬼門」万博で9年ぶりの白星。ネルシーニョ監督(61)は、外国人監督歴代最多となるJ1通算101勝目だ。前半20分に3点目を決めたFW工藤壮人(22)は「酒井のためにどうしても決めたかった。(ガンバを)たたきのめしたかった」。チームは7戦不敗(6勝1分け)と絶好調。沢も「小、中までさかのぼれば3発はあるかも知れないけれど、プロでは初。うれしすぎます」と笑った。

 酒井は今日1日に新天地へ向かう。いよいよ欧州での挑戦が始まる。

 「目標は向こうに行ってみないと分からない。でも、朝起きて、練習して、家に帰ってくる…。そのサイクルに慣れて、試合に出るチャンスをつかみたい」

 ドイツで飛躍し、日本代表の主力へ。酒井の世界は果てしなく広がる。【益子浩一】