スコットランド1部セルティックに加入した日本人選手たちが、ホームのヒバーニアン戦で鮮烈デビューを飾った。FW前田大然(24)が開始4分で初ゴール。中盤で起用された旗手怜央(24)はマン・オブ・ザ・マッチに選ばれ、後半29分からMF井手口陽介(25)もプレーした。チームは2-0で快勝。昨年末に右太もも裏を痛めたFW古橋亨梧(26)はベンチ外だったが、今後も日本人カルテットが勝利の鍵を握りそうだ。

あっという間の初ゴールだった。前半4分。セルティックはハイプレスから右コーナー付近でボールを奪い、近くにいたロギッチが中央へパス。これを前田が右足で難なく流し込んだ。

前田がスタンドに向かってジャンプしながら右拳をふるうと、セルティックパークのサポーターたちは一気に最高潮に。チームメートも名刺代わりの一発を沈めたストライカーをもみくちゃにして祝福した。

旗手も負けてはいなかった。中盤で起用されると、攻撃の組み立て、運動量、守備面とオールラウンドに能力を発揮。英BBC電子版が「最初の1分から旗手の動き、知性、エネルギーは際立っていた」と記したほどの活躍ぶりだった。

チームはPKで1点を加えて2-0で勝利。後半29分に井手口の途中出場にともないベンチに退いていた旗手は、チームメートのフォレストから「マン・オブ・ザ・マッチ(MOM)になったよ」と伝えられると最初は理解できなかった様子。「MOMはユーだよ」と再度言われ、初めて照れたような表情を浮かべた。ポステコグルー監督は「3人を早めに起用しようと思っていたし、ホームでプレーする雰囲気を味わういい機会だった。3人はよくやってくれた」と喜んだ。

現地メディアからはMFとして活躍した旗手とクラブのレジェンド中村俊輔が似ているのでは? という質問も飛んだ。指揮官は「ノー、彼はレオ・ハタテだ。前にも言ったように彼ら(日本人選手)にはみんな違いがある。ハタテのベストを引き出して、彼が到達しうる最高のレベルに引き上げたい」と話した。選手を1人1人しっかり理解しようとする監督のもと、日本人カルテットが躍動する。

◆スコットランド1部 正式名称はスコティッシュ・プレミアシップ。2013年7月に、それまで1部リーグだったスコティッシュ・プレミアリーグとスコティッシュ・フットボールリーグが統合され、トップリーグとして誕生した。全12チーム。第33節まで3回総当たりで戦い、その後、上位6チームと下位6チームに分かれて1回総当たり戦を行って最終順位を決定する。最下位が自動降格。11位が入れ替え戦を行う。外国人枠はなく、労働ビザさえ下りれば何人でも外国人を登録できる。