[ 2014年2月16日18時43分 ]花束を手に笑顔で手を振る葛西(AP)<ソチ五輪:ジャンプ>◇決勝◇15日◇男子ラージヒル(LH=HS140メートル、K点125メートル)

 やっぱりレジェンドだ!史上最多の7度目の冬季五輪で葛西紀明(41=土屋ホーム)が、2回合計277・4点で個人初となる銀メダルを獲得した。

 1回目に139メートルの大ジャンプで2位につけた葛西は、2回目も133・5メートルのジャンプで、テレマークもしっかり決めた。41歳での表彰台は冬季五輪の日本選手最年長となった。日本勢としても1998年長野大会以来、16年ぶりのメダルとなった。

 フラワーセレモニーで個人初となる表彰台に上がった。「ノリアキ~、カサ~イ」。会場にレジェンドの名前がコールされると、ソチに集まったファンからも、ひと際大きな声援が送られた。

 「メダルを取るという難しさを感じていた。レベルの高い試合だった。簡単に取れると思っていなかった。失敗したらどうしよう、メダル取れたらどうしようと頭の中をグルグル回ってました。本当にメダルが取れてよかった」。重圧から解放された葛西は、胸の内を素直に明かし、94年リレハンメル五輪の団体銀以来となる自身2個目のメダルに感慨深げな様子だった。

 黄色のジャンプスーツに神の鳥とされる「朱雀(すざく)」を金箔(きんぱく)で塗り込んだど派手なヘルメットは、火の鳥のようにソチの夜空を羽ばたいた。

 インタビューでは、衰えを知らない秘訣を聞かれ「僕も不思議に思っています。負けたくない気持ちが強いんでしょうね。金メダルを取って本当にレジェンドと呼ばれたかったけど目標ができた。金メダル目指して頑張りたい」。次なるターゲットは日本時間の18日早朝に行われる団体での金メダルだ。

 その他の日本勢は、伊東大貴(雪印メグミルク)が252・5点で9位、清水礼留飛(雪印メグミルク)は252・2点で10位、竹内は249・3点で13位だった。

 優勝は、合計278・8点でカミル・ストッホ(ポーランド)で、ノーマルヒルに続く2冠を達成した。