早大競走部の駅伝監督に1日付で就任した花田勝彦氏(50)が2日、東京・新宿区の早大で会見を行い、監督就任の経緯は、エスビー食品時代の恩師だった瀬古利彦氏(65)だったことを明かした。

滋賀県出身で早大OBの花田氏は、3年時の93年に総合優勝に貢献。96年アトランタ、00年シドニー五輪では1万メートル代表として出場した。04年1月に引退後は上武大、GMOの監督を経験した。

GMOの監督を退任後に「(退任の)報告を恩師である瀬古さんに話を行った際に、瀬古さんの方から『いま早稲田が、相楽監督が非常に指導で苦労しているので、時間があるなら一緒に練習を見に行かないか』となった」と誘われ、早大の練習を見学。その後、正式な打診があったという。

1月の箱根駅伝13位でシード権を逃した母校は苦境にある。チームの第一印象について「選手が少しバラバラになっている。能力はあるけど、競技に集中できていない。(就任前の練習見学に)行ったときは故障者が半分以上いる状態で、ポイント練習をやれる選手も10人に満たない状態」と説明。それでも、選手個々の意識が低かったわけではない。「危機的な状態だったが、個別に話すと競技に対して熱いものがあった。熱心な学生が多い。そういう意味ではうれしかった」と強調した。

上武大、GMOでの指導経験に期待がかかる。「上武大学の12年間は、基礎的な能力の高くない選手、早稲田でいうと一般入試組、そういう選手をコツコツ育てていった。GMOでは、トップレベルの選手を引き上げる指導が求められた。上と下の両方を経験できて、早稲田はその真ん中くらい。いい意味で両方知ることができたので」と自信をのぞかせた。