<フィギュアスケート:4大陸選手権>◇2日目◇10日(日本時間11日)◇米コロラド州コロラドスプリングズ
浅田真央(21=中京大)がトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を解禁した。演技冒頭で挑んだ代名詞の大技は回転不足と判定されたものの、競技会で着氷したのは今季初。その後の演技もまとめ、64・25点で首位発進した。初出場の村上佳菜子(17)は2連続3回転を決め3位、今井遥(18)は11位。フリーは11日(日本時間12日)に行われる。
鮮やかな水色のフリルを回転させ、浅田が高々と舞った。右足で着氷し、こらえ切れずに左足のつま先をついてバランスを崩したが、確かに3回転半を跳んだ。「今大会の目標はトリプルアクセルを入れることでした。それができた。完璧ではなかったけど、跳べてすごい幸せです」。わずかな回転不足の判定で得点は70%に下げられたが、声は自然とはずんだ。
「日本でも何回も何回も練習してきた」。代名詞復活へ黙々とリンクを滑ってきた。標高約1800メートルの会場での練習では「ジャンプが簡単に回る」。スタミナに不安を訴える選手が多いなか、空気抵抗の少なさを追い風と感じていた。直前の6分間練習でも成功。うずく挑戦心と確信に、迷いはなかった。
我慢が実を結んだ。昨年11月のNHK杯SPで冒頭の3回転半が1回転半になり、大幅な減点となった。翌日の男子SPで、高橋大輔が4回転を跳ばずに高得点で1位につけるのを見て、不安定なジャンプを封印する決断をした。総合力アップを目指したシーズンに、跳びたい気持ちを抑えてきた。続くGPロシア杯では、07年11月GPスケートカナダ以来4季ぶりにSP、フリーでも3回転半に挑まなかった。昨年末の全日本選手権でも回避。代わりに徹底的に基礎を見つめ直した。
機は熟し、3大会ぶりの解禁の日に“とっておき”も準備していた。この日の衣装は水色のスカート姿。今季のSPは、伝説のイラン王妃の名前を付けた交響組曲「シェヘラザード」に合わせたパンツスタイルだったが一変。「前の衣装は少し動きづらかったので。動きやすくなりました」と、3回転半バージョンだったことを明かした。
磨いた表現力の高さもしっかり見せた。酸素の薄さにも「ビックリするくらい余裕があった」と軽快にスピン、ステップ。最高難度レベル4をそろえた。佐藤コーチも「しっかりといいスケートをしていた」と評価した。
最後の3回転半成功は、昨年のこの大会のフリーだった。3月の世界選手権(フランス)の前哨戦として、今回は重要な試金石になる。「アクセルを跳べたらすごい満足すると思う。まだまだ上がある」。1年ぶりの“完璧な”ジャンプで2年ぶりの優勝を決め、さらなる上昇カーブを描く。



