<全国高校バスケット選抜優勝大会:沼津中央87-72能代工>◇男子3回戦◇26日◇東京体育館

 男子の沼津中央(静岡)が2年連続で県勢最高となるベスト8に進出した。能代工(秋田)の外からの正確なシュートに対し、シェリフ・ソウ(3年)を軸にしながら日本人選手も果敢にインサイドへ切り込み得点、勝利した。全国総体に続くベスト4入りへ、今日27日の準々決勝で昨年3位の京北(東京)と戦う。

 シェリフが能代工の執念を打ち砕いた。第4クオーター(Q)残り3分を切り79-66。川口颯(3年)が右前方へ浮き球のパスを出した。走り込んだ202センチは、空中でボールをつかみそのままリングへたたき込んだ。沸き上がる沼津中央ベンチ。杉村敏英監督(62)もこん身のガッツポーズだ。第2Qでつけた10点差から食らい付いてきた相手に、とどめを刺すアリウープ。全42回出場の伝統校を下し、指揮官は「能代工の名前にびびってるのは俺だけだね」と選手をたたえた。

 一丸となって攻めた。この日もシェリフはファウル覚悟の厳しいマークを受けた。ならば、日本人が得点すればいい。川口が鋭いドリブルで相手の守備網を切り裂きシュートを決める。コンスタントに積み重ね24得点。シェリフの34得点に続いた。前日も稼ぎ頭はシェリフだったが、2番目の鈴木聖也(3年)は3点差の28得点。昨年、大会初の2試合連続50得点超えを記録したエースに依存するチームはもういない。シェリフも「みんなで点が取れるので、体を休められる」と、頂点まで5連戦への効果を強調した。

 準々決勝ではこれまで県勢が10度阻まれてきた壁に挑む。それでも、すでに夏の総体でベスト4入りした沼津中央には通過点でしかない。「勝つだけです」と川口。シェリフも「決勝に行きたい」と、まだ立ったことのない舞台を見据える。静岡の歴史を塗り替えることは大きいが、それだけで満足する者は1人もいない。【石原正二郎】