全国高校ラグビーの2回戦が今日30日、行われる。Bシードの黒沢尻工(岩手)は29日、初戦となる札幌山の手(南北海道)戦に向けて大阪府内で最終調整。「岩手に明るい話題を届ける」と意気込み、4強入りを目指す。

 黒沢尻工が、1つでも多くの勝利を故郷に届ける。例年、試合映像は地元テレビ局で深夜に録画放送されていたが、今年は昼間に放送される。より多くの人に見てもらえる。高橋智也監督(37)は「負けて恥をさらすわけにはいかない。明るい話題を年末に岩手に届けたい」と口元を引き締めた。

 開会式では、「絆

 ふるさとは負けない!」と書かれた手作りのシールを胸に貼って入場行進。震災後、選手は宮古高グラウンドでヘドロの除去作業などを行ってきた。フランカー高橋涼太主将(3年)は「まだ苦しんでいる人がいる中、こうして花園に出られるのは幸せ。迫力あるプレーを見せたい」と、目標の4強入りに向けた決意をにじませた。

 東のBシードとして臨む今大会。高校日本代表候補のCTB堀田隼平、佐々木裕次郎(ともに3年)ら、BK陣は全国レベルの決定力を誇っている。鍵となるのはFWだ。元日本代表プロップの高橋監督は「FWがBKに球を出すだけじゃなく、近場で前に出られるか」と、肉弾戦での奮闘を期した。かつて、赤べこ(牛)軍団と呼ばれたFWのサイズはないが「走って激しく前に出たい」(高橋涼)。15人一体となった攻撃で、勝利を積み重ねる。【今井恵太】